太極拳修練の進捗は多くの因子が存在します。例えば、力抜きの程度、触覚の感度、反応の正確性、姿勢の正さ、運動の滑らかさ、運動の軽さ、などなどです。これらの因子がそれぞれ一定の水準に達しないと進歩を感じにくいものだと思われます。水準に達す前に、進歩しているとしても、進歩していないように感じてしまいます。早いうちに幾つかの因子で水準に達した練習者がいれば、長い間に各因子で均等的に進歩していながら、どれでも水準に達しない練習者もいます。こうなると、練習者が落ち込み易い状態になります。

「受講してから大分経ったが、自分が進歩していないようだ」というお悩みを数回に耳にしています。このお悩みで足を遠のいた方も出ているようです。太極拳において、練習者自身が習得進歩を著しく感じるのはかなり難しいです。進歩はあったかどうかは、自分で考え込むよりは他人に聞いた方が絶対いいと思います。特に、先生にお聞き下さい。当会は少人数講習なので、受講者の状況を先生がちゃんと留意しており、自分が気づきにくい進歩を先生が教えてくれるかもしれませんよ。しかし、「進歩」を望む以前にまずは自己チェックしましょう。

  • 定期に受講していますか。これはもっとも基本的な問題です。基本的に、今まで教わったものを忘れないことを前提に、進歩を考えます。指導を受けずにいると、習得できた部分でも忘れてしまい兼ねません。うまくできた部分も何らかの歪んだ姿に変わり兼ねません。こうなると、進歩か退歩かですね。大体は毎週受講されたほうをおすすめします。受講する度に、先生が注意事項を指摘してくれるので、現在の進捗を守った上で、改善できるように、一緒に努力してくれます。
  • 毎日練習してますか。毎日の練習は大事です。(これができない場合は先生とご相談下さい。教室の練習時間を調整してくれます。)一日に一回程度の練習では本当は学んだものを覚えているだけの程度です。温故知新までにはなりにくいです。二三日に一回の練習では、ギリギリで覚えているか忘れるかですね。理想では、教わった内容をよく練習して、ある程度熟練して先生に見てもらい、指摘してもらうほうがいいです。全然熟練してないと、毎回の練習では違う姿が出るため、どのように修正の指摘を受けたかは覚えたとしても再応用できなくなります。つまり、自己修正は難しくなります。
  • 適合の比較対象を見つけていますか。進歩したかどうかの自己調べは難しいです。基本的に他人との比較が必要です。例えば、今まで負けていた場面で少し踏ん張るようになったか。今まで踏ん張った場面で少し勝てるようになったか。などなどです。比較できる練習相手がいないとこれらのことは分かりません。ひたすらの自己練習で、進歩したかどうかを判断する事をお薦めしません。

最後に、ぜひ、先生に聞いてください。多くの進歩は小さくて弱くて、現れたり消えたりします。気長に練習を堅持し、小さい進歩を固め、大きい進歩になるように積み上がりましょう。